見えざる戦い(3)

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「キミはボクの仲間たり得ない。仲間でないものとは何か?
 それは敵だ、エネミーだ!!」
ワープ番長はそう叫ぶと、秋穂に向けて突っ込んで来た。
「早い!!」
恭也は決して油断していたわけではなかった。
―――相撲太り。
あの脂肪の下には、相当な筋肉が発達しているはず。
そこまでは解っていた。
だが、これほどまでのスピードが出るとは誤算だった。
「エネミーはいらない!!エネミーは排除する!!
 つまり!!エネミー・ゼロだ!!」
秋穂に向かって疾走するワープ番長の前に身を差し込む恭也。
  ドドドドドドドド!!
ラッシュを、左腕と右足でそれぞれ受け止める。

「あれ?恭也くん、猪乃くんどこへ行っちゃったの?」
「ねえ、恭也くん。こっちを向いてよ!」
「恭也君ってば!!もしかして怒ってるの?私が猪乃くんを挑発したから?」
「ねぇねぇ、無視しないでよ……。」

猪乃健。
彼が、何故ワープ番長と呼ばれるのか。
それは、常人が目視できないほどのスピードで移動できるからである。
「ワープ」したとしか思えないほどの。
そして、その攻撃を防御しきる恭也もまた、超人的といえた。

常人の秋穂は、今目の前で死闘が繰り広げられていることに気付かなかったのだ。
(ちょっと風が強くなってきたかな?)
そう感じる程度で。



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