愛に狂った鬼と鬼。 その陰に鬼、もう一匹。(2)

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「悪く思わないで…なんて言えないよね…」
 自分が投じた小石が広田の胸部を貫いたのを確認し、アズライトは悲しげに呟いた。
 そして目を閉じる。
 人を殺めた後に自分を責める、自虐的な贖罪―――その時。

  どぉぉぉおおおん!!

 大地を揺るがす振動と爆音が、アズライトを襲った。
 あわてて目を開けると、多数の石片や土くれが四方八方に乱舞している。
「つ!!」
 白煙が彼の視界を奪ったため、通常なら難なく避けることの出来るそれらが、次々と直撃する。
 常人ならばそれだけで絶命するであろう勢いと量で。
 だが、その力を自ら封印してるにしろ、彼は闇のデアボリカだ。
 ナミや千鶴には及ばぬものの、一般人とはケタの違う防御力を持っている。
 8M先で起きた爆発で飛んでくる火成岩のかけら程度では、皮膚を切り裂けても筋肉までは貫けない。
(何が起こったの?)
 アズライトは未だ晴れぬ煙に目を凝らすが、何も見えない。
(爆発が起きたのは間違いない。でも、どうして?)

 状況の把握が出来ないまま、皮膚に突き刺さった小石を払い落とすアズライト。
 そこに、少し大きめの何か飛来する。
  ぱしっ。
 反射的に払い除けたそれは、ただの石では無かった。
 閃光。
 「え?」

 ―――そして爆音。



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