男のコと女の人(2)

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(一日目 4:41)

しばらく道なりに歩いたまひるは、病院脇の小さな公園のブランコで、足を休めていた。
なんとなく揺らしてみる。
ぎい、ぎい…
全然楽しくないけど、少しだけ気がまぎれる。

その時、公衆便所の中から
「ヒヒヒ、ヒィィィ!!
 ゆ…… 許してくれ……」
甲高く裏返った、しかし悲痛な叫びが聞こえてきた。
「おっちゃん、おねんねにはまだ早いだろ」
ドスの聞いた、しかしキーそのものは男性にしては高い声が続き
ズダン、バダン。
なにやら物騒な音が聞こえてきた。
「大変だぁ!」
まひるはブランコから飛び降りて公衆便所へと数歩走り……
そこでピタリと足を止めた。
(あたしに何ができるの?)
(あたし、ひとを傷つけることは出来ないのに)

「死ぬ、死んでしまう!!」
さっきよりも一層、切羽詰った声。

(やっぱり、放っておけない!)
その後の具体的な行動など何も決めないまま、まひるは公衆便所へ飛び込んだ。



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