硝子のクレア(2)

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(04:10)

クレアは断崖を背に一路南に向かって歩き始めていた。
まずは誰かと合流し、親しくならねばならないだろう。
それからじっくりと混入するタイミングを計ればいい。
相手が好色ならばなお好都合だ。飲ませる方法は幾らでもある。
聖書が袋に入っていない事が悔やまれる、贖罪の言葉は上手く言えないかもしれない。
裏を示した金貨を握り締め、クレアは呟いた。
「フォスター……私を守ってとは言わないわ……。
 私の……邪魔な優しさを少し預かっていて……」
クレア・バートン、彼女の目にはもはや迷いは無かった。



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