別離と帰還(3)
(一日目 05:55)
水面は、真っ赤な太陽の光をギラギラと乱反射し、追憶に浸るグレンの濁った目を照らす。
網膜に浮かんだマナの後姿をかき消すには十分な光だった。
(お前は… 思い出に浸ることすら邪魔するのか!)
呪詛の篭った目で太陽を睨み返すグレン。
その時。
グレンは太陽より手前の空に、何かの影を認めた。
人型の、翼を持つ影を。
(まさか…)
彼は目を擦った。何度も何度も。
そして目を凝らす。
その影は、気高い純白の翼をはためかせていた。
その影は、陽の光を浴びて金色に輝く髪をたなびかせていた。
その影は、女性ではなく少女のシルエットを持っていた。
その影は。
「マナ!」
歓喜にグレン五体が打ち震える。
帰ってきたのだ、マナが。
再び、このグレンの、お父さんの元へ!
「こっちだ!!」