闇の獣と闇のデアボリカ(4)

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(AM5:00)
遮二無二になって走りまわった松倉藍は
先ほどとは別の森の中を流れる小川のあたりでがくりと膝を落とした。
大きく肩を上下させ、呼吸も荒い。
しばらくそのままの体勢でいたが、やがて息も収まるとよろめきながらも立ち上がり、
震える足で再び歩き始めた。
「堂…島…」地を這う蔦に足をとられ、何度となく転びそうになる。
それでもおぼつかない足取りで歩くことは止めなかった。
彼女の通ったあとには点々と赤い血痕が続く。脇腹には二つの銃創のようなものが刻まれている。
「お兄ちゃん…もう、会えそうにないょ」光るものが頬を伝った。



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