Zakkaya of the dead(3)
「……全く、どうしたものだか……?」
「まずはこの首輪の解除法を探る必要があるでしょうね。それと同時に一緒に
戦ってくれる仲間を探す。今は……それしかないわ」
「うむ……」
「……さてと」
話しが一段落して、まりなは立ち上がった。
「それじゃオジサマ、外の様子を見てくるわ」
「待ってくれ、私も……」
それを追って立とうとする泰男だが、眩暈でよろめく。
「無理しないで。私なら大丈夫よ」
そう答えて、まりなはガラス戸を開け―――
―――それは落ちてきた。
「え……?」
それが何なのかを確認する暇もなく、
「………ッ!」
どこにそんな余力があったのだろう?
突然、まりなと「それ」の間に泰男が割って入った。一瞬も間を開けず、
ドッ!
何かが叩き込まれる音とともに、まりなの顔に血が跳ねる。
「……オジサマ?」
「……どうやら、君の役に立てたようだな……」
呆然とするまりなに泰男が微笑みかける。
彼の腹部から、一本の杭が突き出ていた。その後ろには、餅つきの杵のような
物体が、太目のテグスでぶら下がっている。
そのテグスは天井の梁を通って―――ガラス戸に伸びていた。
「!?」
瞬間、まりなは自分が致命的な見落としを犯したことを悟った。
ガラス戸は先客が閉め忘れていったのではない……わざと開けていったのだ。
閉める事が罠のトリガーとなるように―――一度中に入った者を仕留める為に。
「オ……オジサマッ!?」
まりなはとっさに泰男に駆け寄った。
「今っ!今抜くからッ!」
「……いいんだ」
「……っ!」
「これを大丈夫と思えるほど……私は楽天家ではないよ」
小さな声で答える泰男の口から大量の血が吐き出される。
「(肺も……!)」
「ほ……法条さん……お願いが、2つあるんだが……聞いてくれるかな?」
「な、何!?」
「………」
もはや声を出す力も残ってはいないのか、唇を振るわせる泰男。
まりなは、かろうじてそれを読唇術で読み取る。
「首……輪?サンプル?」
「……(こくん)」
「ッ……そんなっ!それって……ッ!」
「………」
「………分かったわ……ごめんなさい……ごめんなさい……」
まりなの頬を涙が落ちる。泰男は震える手でその頬に触れ、雫を拭った。
「………もう一つは、何?」
「………」
「生き……延びてくれ?
……ええ、約束するわ。絶対にみんなと一緒に……生きて、帰る」
「………」
その返事を聞き、泰男は優しげに笑い―――そして、絶命した。
死亡:【No.30 木ノ下泰男】
―――――――――――残り34人。