東ドイツ国歌はいつも唐突に(1)
(一日目 4:00)
学校の北に広がるうっそうと生い茂った森。
その中央部に巨大な楡の古木が、森の主よろしくどっかと腰を下ろしており、
周囲は少し開けた草原になっていた。
紫のストレートロングに黄色いキャップをかぶったスレンダーな少女、
16番朽木双葉は、その巨木にもたれかかりながら、
両手に抱えた、黄色い小さな花を咲かせた鉢植えを相手に、愚痴を零している。
「てゆーかさ、こけしぃ。
こーゆーヒロインのピンチにこそ、白馬の王子様って駆けつけるものだと思わない?」
……彼女の配布武器は『植木蜂』だった。
それを始めて見たとき、思わず、
「ふざけんじゃないわよ!!」
と怒鳴ってしまうほど頭に来たものだ。
しかしその数十分後、森の中でこの花『こけし』に出会ったときには
「もう、サイコー!」
と全く逆の感想を述べながら植木蜂に移植したのだが。
双葉の愚痴は、いつのまにか夢想へと変わっていた。
「あ〜あ、アタシをさらっていってくれないかなぁ。」
「がはははは、それはちょうどいい。
この俺様がさらっていってやろう。」
「え?」
緑色の鎧に赤いマントを身につけた時代錯誤な青年が、双葉の元にスタスタと歩み寄ってくる。
2番ランスだ。
「はぁ?
アンタみたいな自信過剰野郎なんて願い下げよ。
出直して来な、しっし。」
めんどくさそうに手のひらをひらひらさせる双葉。
「かーーーーーーっ、その志津香みたいな態度、むかつくむかつく!
お前のような生意気コムスメは、ハイパー兵器で更正してやらにゃならん!」
ランスはいきなり、すぽぽーーーーんと身に纏っている全てを脱ぎ捨てた。
「え、あ…… な!?」
余りの展開の速さというか強引さに狼狽する双葉。
ランスの股間のものは、すでに臨戦状態だ。
「こ、こけ」
「がはははは、とりゃ!」
双葉は何かを言いかけたが、すぐにランスの唇で唇を塞がれてしまった。