闇の獣と闇のデアボリカ(2)

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(AM1:30)
煌煌たる月明かりのした、彼女はとぼとぼと歩く。堂島薫を探して、あてどなく。
配給されたズック鞄は建物を出てほどなくそのあたりに捨ててしまった。
彼女には必要ないから。
獣としての習性だろうか、人目につかぬ茂みにはいるとそのまま西へと向かった。
茂みがやがて鬱蒼とした森へ変わる頃、体操着姿をした彼女と同年輩の女の子と、
その腕にぶら下がるようにして歩く二人の少女を見かけたが、方向を変え素通りした。
彼女には関係がないから。
建物を出てから数時間も歩いたろうか。
やがて森を抜け、視界が開ける。空には満天の星空、眼前には遮るものもなき小高い丘、
大地は遠くに見える山の噴火の名残であろう火山灰、堂島はいない。



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