自分の中で生まれつつあるその感情が
世間では何と呼ばれているのか
彼女は知らなかった。(2)
(5:55)
ぐご〜〜〜〜、ぐご〜〜〜〜。
すぴ〜〜〜〜、すぴ〜〜〜〜。
すぐにランスさんの鼾とアリスメンディさんの寝息が聞こえてきました。
鼾はとても粗野な感じがして、私は好きではありません。
でも……
…………。
鼾が聞こえなくなると、胸がざわざわするのはなぜでしょう。
ランスさんは、今私のすぐ後ろで寝ていて、どこかに行ってしまった訳ではないのに。
…………。
……ランスさん、ちゃんとそこにいらっしゃいますよね?
…………。
私はランスさんに頼られて見張りをしているのですから、
しっかりとその期待に応えないとなりません。
後ろを振り返って、ランスさんの姿を確認するなんて、してはならないことです。
…………。
ランスさん、おねがい。
鼾をかいてください。
…………。
ランスさん……
「ごめんなさい」
ユリーシャは悪い子です。
胸のざわざわが押さえきれなくなって、後ろを振り返ってしまいました。
……ほっ
ランスさんは私のすぐ後ろで、大の字になってお休みになっていました。
そして、そのすぐ隣に、アリスメンディさん。
ランスさんの左脇の下で丸まって、その胸に頬をすり寄せて、お休みになっていました。
おへそを出して、すぴすぴと。
とても気持ちよさそうに。
幸せそうに。
そのとき私は、どうしてか分かりませんが、
本当に、分からないのですが、
アリスメンディさんを好きになれそうにない―――そう、思いました。